AI時代 2017 4 23

書名 AI時代に生き残る企業、淘汰される企業
著者 加谷 珪一  宝島社

 著者は、AI時代に、
具体的には、IoT時代に影響を受けるのが、エレベーターと書いています。
 「IoT」とは、あらゆる機器類(部品)を、
インターネットで相互接続する概念ですが、
これが産業機器の世界に入り込むと、どうなるか。
 一般的なビルのエレベーターは、
2万点ほどの部品で構成されています。
 エレベーター全体が問題なく動作するためには、
こうした2万点の部品が、すべて問題なく動作する必要があります。
 従来の製造業では、個々の部品の信頼性を高めることで、
全体の信頼性を担保するという考え方が用いられていた。
(中略)
 だが、IoT時代になると状況が変わってくる。
すべての部品がネットに接続され、
その動作状況がリアルタイムでクラウド上のサーバーに伝達されるからだ。
 サーバー上では、AIが稼働しており、
データを解析することで、
装置に、どのような不具合が発生しているのか、
あるいは、今後、どのような不具合が発生しそうかを予測するようになる。
(引用、以上)
 部品の多さという点で考えると、自動車を連想します。
エレベーターが影響を受けるならば、自動車も同じでしょう。
 ところで、AI時代に影響を受ける業種として、
著者は、弁護士業務を指摘しています。
 これは、私も同感です。
政府は、司法改革として、弁護士の大量生産を目指しましたが、
将来は、大量失業を招く可能性があります。
 弁護士の仕事として、いや得意技として、
大量の判例を読み、それを頭の中に記憶しておいて、
いざ事件が発生したら、あるいは事件の解決を依頼されたら、
そういう記憶を有機的に活用して、
事件の解決を目指すということでしょう。
 しかしながら、こういうことは、
これから登場するコンピューターにとって、
最も得意とする仕事です。
 判例や事例は、最高裁判所レベルならば少ないでしょうが、
高等裁判所、地方裁判所まで行くと、膨大な量となります。
 膨大な量の判例や事例をコンピューターに読み込ませて、
ベストな解決方法を示すことは、コンピューターが得意とするところでしょう。
 おそらく、弁護士業務の将来の姿は、
少数の優秀な弁護士とAIコンピューターという組み合わせとなるでしょう。
 弁護士に限らず、専門的な知識を頭に詰め込んで仕事をしてきた人たちは、
AIコンピューターに負けていくでしょう。
 今や、囲碁においては、
世界最強のプロ棋士が、AIコンピューターの棋士に負けてしまう時代です。
 おそらく、定石という戦法だけでなく、
奇策でも奇襲でもAIコンピューターに勝てないでしょう。
 いや、むしろ、AIコンピューターの方が、
最初から、奇策で、プロ棋士に挑んでくる時代になりました。




























































































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